媒酌人の服装〜戸川利郎

媒酌人夫妻の装いは、基本的には両親と同格になりますが、新郎新婦の衣装によって、それに準ずる装いを心がけます。

新郎新婦が主人公ですから、ふたりを引き立てるように、ひかえめに装います。

和装、洋装いずれの場合も、小物やアクセサリーに気をつかって、全体に新郎新婦よりひかえめにします。

特に媒酌人夫人が新婦とあまり年齢差がない場合は、新婦よりめだつことがないように、くれぐれも気をつけなければなりません。

五つ紋の羽織袴(紋服)が、媒酌人の正装になります。

紋服の場合は、同じ仙台平の袴でも無地にして、縞の袴を着用する新郎の紋服を引き立てるように配慮します。

モーニング・コート(夜ならタキシード)の場合は、チョッキやタイは、新郎よりひかえめなものにします。

チョッキは上着と共布にし(新郎は絹)、タイは新郎がアスコットなら黒白の結び下げに、新郎が黒白の結び下げならシルバー・グレーの結び下げにするなど工夫することで、新郎の装いを引き立てます。

新郎新婦が略礼装の場合は、媒酌人はブラック・スーツかダーク・スーツを心がけます。

これもワイシャツやタイで、新郎の装いに準ずる心づかいを見せ、新郎を引き立てるように装います。


戸川利郎